

ニュージーランドと言えば白はソーヴィニョンブラン、赤はピノノワールと言うのが代表的なワインですがその産地となると南島のマルボロ、セントラルオタゴなどがまず挙げられます。しかし、N.Zには隠れた、または知られていない優秀な産地がいろいろとあります。このところ急上昇、美味しいピノノワールが飲めるワイン産地、N.Z北島にあるMartinborough(マーティンボロ)をご紹介しましょう。
Martinboroughは北島の最南端、首都ウエリントンから一時間半ほど車で北東に行ったWairarapa(ワイララパ)地区にあります。ブドウ産地としてWairarapa地区はMartinborough, Gladstone, Mastertonの3つに分けられますが中心はやはりMartinborough。街自体は僅か2000人ほどが生活するとても小さな街ですがその北部と西部に多くのブドウ畑が広がっておりワイナリーも集まっています。
ワインの歴史はまだ浅く、1978年にAlistair Taylorによって最初のブドウが植えられましたが気候に合ったブドウ品種ではなかったことから上手く育たず、その後はいろんなメーカーによって試され、改良され、そして今では30近くのワイナリー(Wairarapa地区全体では50近くのワイナリー)や数多くのブドウ栽培農家がこの地で頑張っています。
Ruamahanga Riverの近くにあり土地は水はけの良い、小石や砂利などを多く含む粘土ローム層でミネラルが豊富でブドウ栽培にも適しているようです。周りを山に囲まれた盆地故に春先は霜の影響を受け易いようですが乾いて冷たい強風が吹き、夏は暑く、そして冬は寒い、年間の降雨量がとても少ない乾燥したところで昼と夜の温度差もかなりあるようです。この厳しい気候は自然にブドウの皮を硬くし小さく凝縮した果実を作ってくれますがこれがMartinboroughの魅力のようです。
Martinboroughでは白はリースリング、ソーヴィニョンブラン、ピノグリ、シャルドネ、赤は主にピノノワール、そして少量のシラーやカベルネ系が造られています。いろいろとワイナリーを回ってみましたがソーヴィニョン・ブランもかなり美味しかったのですがやはりピノ・ノワールが格別な美味しさでした。
N.Zで初めてピノ・ノワールが植えられたのはオークランド近辺で1970年代。しかし、Danny Schusterが造るカンタベリー産のピノが初めて国内でGold Medalを得たのが1980年代。1990年代になるとMartinboroughのAta RangiやMartinborough Vineyardが国際大会で連続して賞を獲得するとその後はメダルラッシュ。Martinboroghの名を世界に広げた次第です。
今回は以下のワイナリーを回りました。
1) Alana Estate
2) Ata Rangi Vineyard
3) Haythornthwaite Wines
4) Martinborough Vineyard
5) Murdoch James Estate
6) Palliser Estate
7) Schubert Wines
8) Te Kairanga
9) Vynfields
1) Alana Estate
元ブリティッシュエアのスチュワーデス、アラナと夫、イアンがニュージーランドにおけるワイン生産のポテンシャルに惚れこみ、ワイララパ地域に土地を購入。1993年に仲間と共に設立したワイナリー。
主にピノノワールとシャルドネを栽培しており国内外のワイン評論家にも好評。今ではピノ、シャルドネ、ソーヴィニョンブラン、リースリングでも品質の高いワインを生産。いろいろと試飲してみましたが果実味も豊かでどれもまずまずの美味しさ。また訪問時はレストランも盛況でとても賑やか。ここのレストランは試しても良さそうなところでした。
http://www.alana.co.nz/
2) Ata Rangi Vineyard
1980年に創立。家族経営。アタ・ランギとはマオリの言葉で“新しい始まり、夜明けの空”という意味だそうです。新しいワインつくりの出発点という気持ちを込めたネーミングで妥協を許さぬ徹底した品質重視のブドウ栽培と醸造により、アタランギのピノノワールは瞬く間にニュージーランドのトップワインとなり、またロンドンで開催される世界最大級のコンテスト、インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティションで1995年、1996年、2001年と3度最優秀ピノ・ノワール・トロフィーを受賞。
また今日ではクレイグホール・シャルドネ、セレブレといずれも高い品質を誇るワインも生産し、また、サマー・ロゼとピノグリは果実香を重視しながらもアタ・ランギらしい洗練された味わいで定評があります。
http://www.atarangi.co.nz/
3) Haythornthwaite Wines
1992年創立。ファミリー経営。ワインの名前は総て家族、親者の名前から取ったもの。試飲したワインはどれも普通のワインでしたがリースリングだけは美味しかったと思います。
http://www.haythornthwaite.co.nz/
4) Martinborough Vineyard
1980年創立。オーガニックに近い方法を採用しており、 21ヘクタールの畑の半分以上にピノ・ノワール種。残りにシャルドネ、ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング等が植えられています。品質の良い、優秀なワインも多く、このMartinboroughの中では僕の一番のお気に入り。お奨めは軽くオークに漬かったソーヴィニョン・ブランと果実味と複雑な後味が楽しめるピノ3種。
http://www.martinborough-vineyard.com/
5) Murdoch James Estate
1986年に創立。マーティンボロから約10キロほど離れたところに丘の斜面などを利用して緑が眩しいブドウ畑が造られていました。近くにはConey Wines, Hudson Vineyardなどもあります。ミネラルを多く含んだリースリングと果実味豊かなフルーティーなピノがお奨め。
http://www.murdochjames.co.nz/
6) Palliser Estate
N.Zでも5本の指に入る優秀なワイナリー。1998年ロンドン・インターナショナル・ワイン・チャレンジでは世界No.1ソーヴィニヨン・ブランに輝き、ピノ・ノワールでも銀賞を獲得。また同年日本で初めて開催されたジャパン・インターナショナル・ワイン・チャレンジではNo.1リースリングの栄誉を受けました。どのワインも品質がよく美味しいワインが多いところ。お奨め出来ます。
http://www.palliser.co.nz/
7) Schubert Wines
1998年に創立。ドイツで醸造学を学び、美味しいワインを求めて世界各国を回り見つけたのがこの地。ドイツ人夫婦が経営するこのワイナリーには品質の良い白やピノが2種。カベルネ・メルローもなかなかの味わい。最近はシラーも造っているようです。
http://www.schubert.co.nz/
8) Te Kairanga
訪問した時は他の観光客も多く、賑わっていたワイナリー。金額設定が低めで飲み易い、平均点以上のワインが多いところ。
http://www.tekairanga.co.nz/
9) Vynfields
1991年に創立。ワインメーカーはSchubert WinesのKai Schubert and Marion Deimling。豊かな酸、果実味のあるメリハリのある味わい。
http://www.vynfields.co.nz/
余談ですがこのMartinboroughには日本人のワインメーカーも頑張っています。名前は楠田浩之さん。大手電気メーカーに勤務後にドイツへワイン留学。そしてN.Zワインに魅せられて家族を連れてMartinboroughに移住して来ました。Schubert Winesの協力もありワイン造りを創め、今では存在感のある高品質なピノの他にカベルネのブレンドなども造っています。
http://www.kusudawines.com/japanese/index.htm
ワイララパ地区の詳細は以下のサイトをご参考下さい。
http://www.wairarapawines.co.nz/